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最期の場所

身元が分からない、または引き取る方がいないご遺体を火葬・埋葬したいわゆる「無縁遺骨」は
全国で推計約4万2千人に上ることが、23年度厚生労働省によって初めて調査されました。
ご遺体の引取者のいないまたは判明しない場合、墓埋法等に基づき死亡地の市町村が埋葬等を行う
ことになっています。
そうは法律で決まってはいますが、そのマニュアルや内部規定がしっかりしている自治体は1割程度
だったそうです。
しっかりしろよ!というのは簡単ですが、ご遺体が発見されるのは画一的ではなく、様々な状況がある
と思われますので、それをマニュアル化するのはなかなか難しいのかなと想定されます。
だいぶ昔の話ですが、産休の方の代わりに一時期市役所の社会福祉課にいたことがあります。
お役所仕事は言ってみたら何でも屋なところがあって、滝つぼに飛び込んだ方のご遺体を夜中に
引き取りに行って助手席に乗せて帰ってきたとか、市営住宅で異臭がするとの通報があって
第一発見者になりたくないから誰が最初に入るかもめたとか、けっこう衝撃的な話をお聞きしました。
決まった事柄に対応するだけでは処理できないことがたくさんあるものだと、目を見張ったものです。
無縁遺骨は、単身高齢者の増加、親族関係の希薄化を背景に年々増加傾向にあると推定されます。
マニュアル整備は一筋縄ではいかないかもしれませんが、今後引き取るご遺体が多くなるのであれば
力を入れていただかなくてはいけない事柄でしょう。
こういった現状を鑑みると、自分が最期に納まる場所があるというのは大変幸せなことだと改めて
感じます。
一般的なお墓はもちろん、最近ではご夫婦で生前に樹木葬をご契約いただくケースも増えております。
以前、体調不良を案じてご自身の樹木葬をご契約に来られたお客様がいらっしゃいました。
お会いするたびに細くなっていくお身体を見て、どのようなご対応をしたらいいのか迷うことも
ありました。
しかしご契約後、「あなたに会えてよかった」と言っていただき、この仕事に携わる意味にはっと
気づかされた思いがいたしました。
最期に納まる場所が決まっていると、安心して残りの人生を過ごせる。
お墓屋さんは安心を売る仕事なのだと誇りを持たせていただきました。
今も天国できっと見守ってくれていると思います。
私もお会いできて本当に良かったです。
ありがとうございます。
みんな絶対にいずれは最期を迎えることになります。
決して悲観的にではなく、なにげなくでいいので自分は最期どうしたいかなぁと考えてみてください。
それによってこれからの人生をより豊かに過ごせるかもしれません。