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墓相

新しくお墓の建立をご検討されているお客様とお打合せをしていたときの話です。
「あんまり黒いお墓は嫌なのよね」とおっしゃるので、たしかに黒は高級感や重厚感がありますが
ちょっと圧倒されてしまう感じもありますよねとお答えしますと、「いや・・・」と。
あ、あれかと思いまして「墓相ですか?」とお尋ねいたしましたら、やはりでした。
お墓の建立をお考えになる際、相場やデザインなどお調べになる中で、「墓相」というキーワードを
見かけた方は少なくないと思います。
手相や家相と同じように、お墓にも「墓相」という考え方がございます。
墓相学の起源は紀元前の中国で発祥した風水地理学とされており、聖徳太子もこの考え方を取り入れて
御陵や神社仏閣を造成されたとの話もあります。
日本では江戸時代にその研究が盛んになり、今では大変多岐にわたった墓相の考え方が流布している
ようです。
「いるようです」なんて、石屋のくせにずいぶん他人事だなとお思いかもしれませんが、実際、石屋
自ら墓相を重視してお墓を建てることは、まぁ、ないと言ってしまってよいでしょう。
もちろんお墓は一生に一度どころか代々受け継いでいくものなので、建立する場所や石の種類にこだわ
るのと同じように、できるだけ吉相になるようにしたいとのご要望があればもちろん尽力させていただ
きます。
ただ、墓相にとらわれすぎてお墓づくりが窮屈になってしまうのだとしたらもったいないかなと思い
ます。
今は比較的個人の自由な発想でお墓のデザインや色を取り入れられますし、各々のライフスタイルに
合わせてお掃除のしやすいシンプルな形を選ぶなどという選択の仕方もあります。
ただ、お寺さんによってはある程度決まりがあるところもございますので、事前にひと言菩提寺に
ご相談されると安心かもしれません。
お墓を建てるのにもいろいろな考え方がございますが、故人やご先祖様の弔いの気持ちを大切に、そし
てご自身が気持ちよく参りできるようなお墓を考えるのが一番ではないかと思います。
冒頭でご紹介いたしましたお客様ですが、色には墓相の考えを取り入れていらっしゃいましたが、その
他は使い勝手の良さや気になるデザインの墓石を組み合わせたりして、ご夫婦おふたりで楽しそうに
お話を進めていらっしゃいました。
お気に召していただける素敵なお墓になるよう、精一杯頑張らせていただきます!