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季節のコラム

亀趺墓

亀趺墓

今日は「世界亀の日」です。

亀について知識を深め、敬意を払い、亀の生存と繁栄を考える日だそうです。

日本でも、長寿・財産・不動などの象徴として広く知られています。

“亀趺墓(きふぼ)”という形のお墓を聞いたことがありますでしょうか?

文字通り亀を模したデザインが施されているお墓なのですが、墓石の台座部分が亀になっています。

背中に竿石を背負っている姿を思い浮かべていただければいいと思います。

この亀の彫刻を取り入れたお墓、日本では江戸時代から見られるようになりました。

亀趺は中国や朝鮮半島から影響を受けて作られたもので、江戸時代以前には見られなかったのかという

とそうではなく、舎利塔などの彫刻に使用されてきました。

江戸時代になって、大名たちが競って独自性のある大型墓葬を営む中、デザインのひとつとしてお墓に

亀趺を取り入れるようになったのです。

つまり誰でも彼でも亀趺墓を建てられたわけではなく、主に大名クラスのお偉いさんのみに許された

形でした。

なので近所のお寺や霊園を見回してみても、なかなか亀趺墓をお見かけすることはないですよね。

もし亀が石塔を支えているお墓に出会いましたら、とても貴重なものですのでぜひお写真に収めること

をおすすめいたします。

「ありがとう」の語源にも、亀が一役買っているそうです。

漢字で書きますと「有り難う」、「有るのが難しい」のでありがたいのだという話はみなさんご存じ

かと思いますが、具体的に何が有るのが難しいというのか?

果てしない海の底に盲目の亀がいて、その亀が100年に一度海面に顔を出す、そのときにたまたま

海面に浮いていた真ん中に小さな穴の空いている丸太に、たまたまその亀がその穴にひょいと頭を入れ

る・・・

そんなことが有り得るだろうか、なんとも有り難いことだ!

これが「ありがとう」の源となった話です。

これだけ聞くとぽかんですが、「ありがとう」はそもそも仏教由来の言葉で、お釈迦さまが弟子に

私たちが人間に生まれるというのはそれくらい難しく、有り難いことなんだよ諭すための例え話として

上記の話が使われたということです。

なんとも独特の例えのセンスをお持ちだったことがうかがえます。

ちなみに最後、どうでもいい雑学ですが、イソップ童話の「ウサギとカメ」の亀は陸亀で、ミュータン

トタートルズは海亀だそうです。