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埋葬方法

埋葬方法

21日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が急逝されました。

前日に車内のラジオで、イースターの行事に参加なさっているという話を何気なく耳にして

いたので大変驚きました。

ご遺体は21日夜に納棺され、明日の26日に信者らが最後のお別れを惜しむご葬儀が執り行われる

ということです。

宗派や国家の違いはありますが、キリスト教は土葬を基本としています。

最後の審判の日に魂が肉体に戻り復活すると考えられているため、火葬してしまうと戻る器が

なくなってしまいます。

「火葬しなくたって土に埋めたらどっちにしろ腐って肉体はなくなってしまうんじゃないの?」

そういう疑問が湧いてきますよね。

土葬の際には“エンバーミング”という処置を施します。

世界屈指の火葬大国である日本ではあまりなじみがないですが、エンバーミングは世界では広く

行われており、遺体の腐敗を遅らせる・遺体からの感染症を予防するという目的で施されます。

エンバーミングが施されたらどれくらいご遺体を保てるのか?

エンバーミングの始まりは、古代エジプトからとされています。

エジプトと聞いてピンとくると思いますが、ミイラを作る技術もエンバーミングの一種です。

何千年も前に亡くなったご遺体がミイラとして博物館等に展示されているということは、

保存状態によるところが大きいでしょうけれども、半永久的にこの世に肉体が残ると考えて

いいでしょう。

これならば最後の審判を迎える日まで待っていられます。

上記でも少し触れましたが、キリスト教だからと言っておしなべて土葬が行われているわけでは

ありません。

宗派や国家によって火葬を許されているところもありますし、日本にお住いのキリスト教徒の方々は

火葬が一般的になっています。

キリスト教徒の多いアメリカでも、ここ数十年、火葬が急激に増えているそうです。

2021年には約6割が火葬を選んだとされています。

理由としては、簡素化を望む傾向や宗教離れ、費用面の問題などが挙げられます。

近年日本が直面している埋葬法の多様化にも通ずるところがある傾向です。

ハリケーンなどの災害や、記憶に新しいパンデミック、コロナも大きく影響したようです。

土葬しようにも人手が足りず、それどころかみんな集まれないので葬儀もままならない。

それならば火葬しておいて収まるまで待とうと、火葬を選ぶ人が増えたといいます。

昨今の埋葬方法の変化は日本だけでなく世界にも及ぶものとなっています。

ライフスタイルの変化や埋葬の概念の変化、宗教観の変化、様々な要因が混ざり合って、

今はどう埋葬するかされるかが確定されていない埋葬過渡期と言ってもいい時代です。

日本の人口減少に伴う海外からの人材確保によって、異文化の埋葬方法にも目を向けていかなくては

ならなくなるでしょう。

明日からGWです。

遠くお住まいのご家族とお会いになる予定がございましたら、どのような最期を迎えたいか、皆さんで

話し合ってみるのもいいのではないでしょうか。